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岡嶋二人:『ダブル・プロット』(講談社) [book]

ダブル・プロット (講談社文庫)

ダブル・プロット (講談社文庫)

著者(たち)の小説は初期のころから読んでいて、なにしろ『 焦茶色のパステル 』は乱歩賞受賞時にハードカヴァーで購入していたりする。1982年の受賞だから30年前で、当方は中学生だったんだな。まったくイヤなガキだ。で、実は『焦茶色の~』は読んでもそれほど感心しなかったのを覚えている。さすがに中学生にはわからなかったのかね。

著者の真価が発揮された作品と当方が感じるのは『 そして扉が閉ざされた 』、『 眠れぬ夜の殺人 』、そして『 クラインの壷 』というオーソドックスなチョイス。そして、いつのまにか、講談社文庫が全タイトルを発刊している。編集者をはじめとする玄人衆に愛される作家なんだろう。いずれは全冊読破することにしたい。


内容(「BOOKデータベースより)
若い母親が死んだ真相と赤子の行方、フィルムに記録されていた驚くべき殺人手口、遅れて配達された年賀状に隠された犯罪…日本ミステリー界の至宝・幻の名コンビ岡嶋二人による傑作短編集。既刊の『記録された殺人』に、表題作を含めた3編の未収録作品を加え、再編成した文庫オリジナル

梗概にもあるように、既刊の『記録された殺人』に未収録作品をプラスした再刊作品集。オリジナル版の刊行自体はコンビ期間の比較的後期のものだが、個々の短篇の多くの発表年次は乱歩賞受賞後から数年だから、内容的には初期作品集と言っていいだろう。

だからかもしれないのだが、ミステリとしては熟れていない、というか稚拙と感じられる部分はある。伏線の提出の仕方があからさま過ぎるし、それゆえに先が読めてしまう作品が多かった。そのあたりは短篇という形式上しょうがないのかもしれないが。

素晴らしいのは、そんな先が読めるような内容であっても、構成や会話の運びの巧さでスルスルと読めてしまうこと。このあたりは後期の魔術的なストーリーテリングの萌芽が見られる。当方は「送れてきた年賀状」、「迷い道」の二篇が好みかな。


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