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道尾秀介:『カササギたちの四季』(光文社) [ebook]

カササギたちの四季

カササギたちの四季

  • 作者: 道尾秀介
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/02/19
  • メディア: 単行本

本書は紙と電子それぞれの媒体が同時発売。うれしいじゃないですか、自宅に居ながらにして本が手に入るなんて。電子書籍端末を購入したときは、好きな作家の作品は紙、ビジネス書などは電子書籍ということになるだろうと予測していたのだが、結局、置き場所の問題を考えるとデータで、ということになっちまうのだ。


内容(「BOOK」データベースより)
開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸っている中学生の菜美は、居心地がいいのか、なかなか帰ろうとしない―。

さて、久々に著者の作品を読むことになった。実は『 カラスの親指 』以降の作品はすべてを購入して手元にあるのだが、まったく読んでいない。なんだかね、読み始めると、初手から登場人物たちが辿るであろう苛酷な運命が予感できてしまい、手が出せないのだ。精神状態がかなり強まっていないとムリ、という感じ。

そんな当方にも、梗概を読む限りでは比較的に読みやすいのではと思い購入(ダウンロード)。結論から申し述べると、精神的に負担の少ない作品だったが、比例してこれまで読んだものに比べるとアクが少ない、というか、はっきり言っちゃうと物足りなさは感じた。

タイトルの通り、四季毎に「リサイクルショップ・カササギ」の2人と中学生の女子が巻き込まれる「日常の謎」テーマの事件が連作形式で描かれる。これもはっきり書いちゃ打っちゃうと、描かれる事件の謎などのオドロキ度合いは低いといわざるをえない。探偵役(?)の華沙々木の探偵らしいエクセントリックさはあまり感じられないし。

ここ2年ほど著者の作品を読んでいなかったのだが、著者はミステリという枠にとらわれずに書きたいものを書くという志向が強まってきていると聞いている。実際、本書も広義の大衆小説(もちろん非常に良い意味でだよ)という側面が大きい。ミステリというジャンルを期待して読むと、それは期待のしどころが違うということなんだろう。

とはいえ、久しぶりに読むと著者のテイストはそこかしこにあり、たとえば「疑似家族」とか「共同体の絆」というテーマが読み取れるこの連作を読むと、なんだか懐かしく思えるのも事実。初期の「ミステリ」作品を期待するとスカされるが、著者の「小説」が好きな人は言われなくても手に取るだろう、そんな一冊だ。


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