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堂場瞬一:『蝕罪―警視庁失踪課・高城賢吾』(中央公論社) [ebook]

蝕罪―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)

蝕罪―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)


内容(「BOOKデータベースより)
行方不明者を捜す専門部署として、警視庁に設立された失踪人捜査課―実態は厄介者が寄せ集められたお荷物部署。ある事件により全てを失い酒浸りになった刑事・高城賢吾が配属される。着任早々、結婚を間近に控え、なぜか失踪した青年の事件が持ちこまれるが…。待望の新シリーズ、書き下ろしで登場。


5冊目の電子書籍読了作品は堂場瞬一の警察小説シリーズ第一作。文庫売場では何度も見かけてはいたが、どことなく食指が動かなかったのだが、作家生活10年目ということで、ここは読んでみるか、という気になったのだった。

結論から申し述べると、娯楽小説としての水準の高さを充分に堪能できる一冊だ。とにかく、読み始めるとなかなか止まらない。枠組みは「かつて名刑事としてならした主人公がとあることをきっかけに酒浸りになったが、環境の変化と仲間たちの助けで自身の再生を賭け捜査に情熱をそそぐ」という、良くも悪くもテンプレ通りのもの。

そういう意味では、トラウマを抱えているはずの主人公にそれほどの屈折がみられないことや、充分に社会性のあることは瑕疵かもしれない。上司や同僚・部下に対して、どんな状況でも「ああいえばこういう」タイプであるのも、なんかね、たくましすぎるんじゃないのか、という感じだ。とはいえ、そんな主人公だからこそ陰々滅々とした雰囲気を感じさせずに読み進められたと言うことも事実。

ミステリ部分では、失踪した人物の生死やその理由が終盤になってもわからないということで、読者の興味を牽引していくという構成力の確かさがある。ただ気になったのは、捜査が展開するきっかけに偶然を多用しているところ。あきらかにご都合主義となってしまっているところだ。

あと、主人公の人柄ゆえかもしれないが、警察組織内部であれだけの協力者ができるのかどうかということ。こればっかりは警察官になったことがないからわからないけどね。警察官にもいろいろな人がいるんだろう、ということにしておくか。

シリーズは既に第五作目まで刊行されている。電子書籍版も同様。主人公を取り囲む失踪課の面々の人となりが詳しく語られていくのは次巻以降だと推測しているので、とりあえず 第二作目は購入することにしよう。細かい点で気になることはあるのだが、何しろ冒頭にも申し上げたようにおもしろいことには間違いないのだから。


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