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法体の滝に行ってきた [a day in the life]

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以前から気になっていた法体の滝に行ってきた。法体の滝と書いて「ほったい」と読むのだよ。だからといって、「掘った芋いじくるな」ではないよ。

R0013688.jpg■前にも立ち寄った道の駅「いわき」で食べていなかったプラムソフトを食す。んまー


国道7号線をたんたんと走っていると、以前に立ち寄った羽後本荘のあたりと気づく。その後、細い路をひいひい言いながら走り辿り着く。

R0013692.jpg紅葉は真っ盛りというわけではなかった
R0013702.jpg■清冽な流れ
R0013710.jpg■滝壺をのぞき込む。近くの人に「命を大切にしてください!」と言われた、というのは真っ赤な嘘
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R0013734.jpg周辺に出店していた屋台でうどんを食す。もうすこし熱ければ良かったのだが
R0013736.jpg■これは帰り道に立ち寄った「西滝沢水辺プラザ」で食べたハムカツと揚げ豆腐。由利地域の旧西滝沢小学校跡地に建設、だそうです。


意外に早く市内に戻れたので懸案の大森山動物公園に赴く。Patagoniaのジャケットにサングラス、一眼レフを持った中年の坊主アタマおやぢがひとりで歩いていい場所ではなかった…orz

IMGP4109.jpg■ヤマアラシの実物を見たのははじめてかもしれない
IMGP4143.jpg ■ミーアキャットはカメラ目線をくれなかった
IMGP4155.jpg■絶滅危惧種アムールトラの勇姿
IMGP4159.jpg■でも、少しさびしそうだ


そろそろ、当地で行くところがなくなってきたなあ。


『ナイト&デイ』 [movie]

原題: Knight and Day
監督: ジェームズ・マンゴールド
出演:トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ジョルディ・モリャ、ビオラ・デイビス、ポール・ダノ、フォルク・ヘンシャル、マーク・ブルカス、レニー・ロフティン、マギー・グレイス
製作国: 2010年アメリカ映画
上映時間: 109分
配給: 20世紀フォックス映画

珍しく平日の月曜日が休みになったので近所の映画館に足を運ぶ。平日第一回目の上映が1,000円で観られるというサービスがあるのだ。それ故か、当方ひとりしかいないのではないかという予想は裏切られ、5,6人は鑑賞者がいた。まあ、それでも少ないんだけどさ。

さて、本作は2001年の『 バニラ・スカイ 』(当方未見)以来のトム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演作。両者ともアップではさすがにお年を召したなという感じは否めない。それでもね、両主演の華のある演技なくして本作は成立し得なかったろう。デートムービーにお奨めの一本だ。

で、アクション映画を鑑賞するという意気込みで本作を観ると少しばかり違和感があるかもしれない。多くの人が指摘されているように、本作は基本的にロマンチック・コメディにカテゴライズしたほうがいい。男女の出会い・すれ違い・葛藤・疑惑とその解消、などなど、物語の構造はハーレクインロマンスの諸作品(当方は読んだことないけれど)と同一のものだ。当然のことながら物語はハッピーエンドで終幕だから安心。

ホリデイ 』や『 ベガスの恋に勝つルール 』と同様にキャメロン・ディアスが等身大の女性を演じる。派手顔美人なのに、三枚目の役柄が似合うのだよ。いや、もちろんかっこいいには違いないところが凄いのだ。トム・クルーズはこの手のアクションは久々だが、『 コラテラル 』撮影時に受けた射撃訓練の効果が持続、火器を扱う姿のハマリっぷりが素晴らしい。脇を固めるのがピーター・サースガードやポール・ダノだったりでなかなか渋いところも好感が持てる作品。


法体の滝に来ている [travel]

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デジイチの電池、入れ忘れちゃったorz

『劇場版 ブレイク ブレイド 第二章 訣別ノ路』 [dvd]


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
吉永裕ノ介の人気ロボット漫画を映画化した全6部作の第2弾。ゼス率いるワルキウレス部隊は、迎え撃つクリシュナ群を撃破しつつ王都・ビノンテンへと迫っていた。この襲撃がゼスの本意ではないと信じるライガットは交渉のため単身出撃する。

きちんと追っかけていくかは未定などと書いておきながら、そう時を経ずして鑑賞。TSUTAYA DISCASが自動送品してきたのだからしょうがない。って、上位に登録しておく方が悪いのだが。なんてことをいってるが、本作は予想外のデキの良さゆえに、人にお奨めしたくなる作品。

なんといっても、ゴゥレム同士の格闘戦が本作の見所。これが、今風のCGではなく手書きであるところが良い。『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』のATの描写が少しばかりネムいのに対し、本作の迫力は相当なものがある。

あと感心したのは、原作のちょっとした説明不足部分を補完する脚本だ。過度に説明的になっているわけではないが、「ああ、そういうことだったのね」と理解できるように、ちょっとした親切心が込められているように思う。そう、本作は実に真面目に作られているのだ。

派手さはないし物語の展開もわかってはいるのだが、制作スタッフの良心がそこかしこにみられるゆえに、これからはきちんと追っかけていくようにしたい好シリーズだ。


マイクロソフト:Wireless Entertainment Desktop 7000(69Z-00012)がやってきた [gadget]

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ソフトウェア・メーカーとしてのマイクロソフトには愛憎半ばというところはあるが、ハードウェア・メーカーとしては好きな部類に入る。今は生産中止になってしまったトラックボールはいまだに愛用しているし。というか、また製造を再開してください、お願いします、マイクロソフトのなかの人。

さて、同社のポインティングデバイスはトラックボールとマウスをそれぞれ二種類所有しているが、キーボードを購入したのは今回が初めて。そしていまこの仮住まいにはデスクトップのPCが二台、今回の購入でキーボードが五つあるという不可思議な状況になってしまった。

なぜそんな状況に至ったのかといえば、本機がセールで安かったから。以前から購入したいとは思っていたが、なにしろ発売当初は20,000円近くしていた。それが6,000円程度の特価だったから、迷わずポチッとしたのだった。それでは、まず各部の写真など。

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■最大の特徴と言っていいのが本機右上にあるポインティングデバイス。ノートPCのタッチパッドと同じ機能を持つとともに、スイッチの切替でカーソルキーともなる ■左側方にはメディアセンター等に使う再生キーやチャンネルキー
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■アンドゥキーとメディアセンター起動キー
■本機で不評なのは、Windowsキーがキーボード中央下部のど真ん中にあること。当方は使わないので関係ないが
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■Escキーなどが静電式(?)■Bluetooth接続。ドングルが付属している。写真を取り忘れたが、裏面に電源のON/OFFスイッチがあり、乾電池の消耗を防ぐことができる。単三乾電池四本使用
  

製品のコンセプトは、事務関連で使うのではなく、ゆったりとソファにでもくつろぎながらリビングルームPCを操作する、ってなものか。製品名通り、エンタテインメント用なのだ。

それならばと、わが仮住まいのリビングルームPCであるUbuntuマシンに使えるかどうかさっそく実験したところ、ドングルをUSBポートにぶっ刺したらあっけなく作動。Windowsキーやガジェットキーはむろん無反応だったが、タッチパッドや音量キーの動作は問題ない。キータッチ自体も悪くはなく、うん、いい買い物をしたな。

ちなみにマウスが付属しているが、使用するつもりはなく死蔵することになりそう…orz


Microsoft Wireless Entertainment Desktop 7000 69Z-00012

Microsoft Wireless Entertainment Desktop 7000 69Z-00012

  • 出版社/メーカー: マイクロソフト
  • メディア: Personal Computers

タグ:キーボード

内田樹:『街場のメディア論』(光文社) [book]

街場のメディア論 (光文社新書)

街場のメディア論 (光文社新書)

弊blogでも何度か申し上げているように、当方は文芸学部の国文学科の出身。だから経済や財務のことなんかなんにも知らなかったし必要も感じていなかった。実際、10年前は貸借対照表と損益計算書の区別さえつかなかった。ところが、なんということでしょう、いまや決算書を見たらその企業がどんな企業かわかるようになったり、聞いた風な口調で財務分析をしたりするようになったりするのだ。


内容(「BOOKデータベースより)
テレビ視聴率の低下、新聞部数の激減、出版の不調―、未曾有の危機の原因はどこにあるのか? 「贈与と返礼」の人類学的地平からメディアの社会的存在意義を探り、危機の本質を見極める。内田樹が贈る、マニュアルのない未来を生き抜くすべての人に必要な「知」のレッスン。神戸女学院大学の人気講義を書籍化。

本書は、タイトルのように広い意味でのマスメディアの本質を抉っていく内容となっているのだが、まずは「仕事をするとはどういうことか」という命題から始まる。なぜなら、そもそもが同学院のキャリア教育プログラムの一環だから。そこで非常に感銘を受けた一文を引用しておこう。


(前略)繰り返し言うように、人間がその才能を爆発的に開花させるのは、「他人のため」に働くときだからです。人の役に立ちたいと願うときにこそ、人間の能力は伸びる。それが、「自分のしたいこと」であるかどうか、自分の「適性」に合うことかどうか、そんなことはどうだっていいんです。とにかく「これ、やってください」と懇願されて、他にやってくれそうな人がいないという状況で、「しかたないなあ、私がやるしかないのか」という立場に立ち至ったときに、人の能力は向上する。(後略)
(30ペ-ジ)
 

なるほど、と思う。向き不向きに関係なく、仕事上でこれをやらねばあかんわな、という状況に追い込まれるとなんとかなってしまう、ということは誰しも経験があると思う。冒頭に記したように、当方のような数字音痴でもなんとかなったのは著者の言うような状況に立ち至ったからにほかならない。

そんな個人的な経験とシンクロする部分はさておき、本書をはじめとする「街場」シリーズは著者お得意のblogコンピレーション本にはない新鮮さがある。 特に第六講の「読者はどこにいるのか」は、(当方には相容れられなかった部分はあるものの)この分野に言及した初めてのものではないか、と思う。

増田町に蔵を観に行ったときの往復3時間の電車内で読み切るほどに集中できるリーダビリティと内容の濃さがある。著者の近著ではもっともお奨めの一冊。


『劇場版 ブレイク ブレイド 第一章 覚醒ノ刻』 [dvd]

総監督: アミノテツロ
監督: 羽原信義
原作: 吉永裕ノ介
脚本: 十川誠志
キャラクターデザイン: 乘田拓茂
メカニックデザイン: 柳瀬敬之
美術: 小濱俊裕
音楽: 平野義久
出演:保志総一朗、斎藤千和、中村悠一、神谷浩史、花澤香菜、甲斐田裕子、梅津秀行、高橋研二、井上麻里奈、白石稔、河相智哉、菅原正志、緒方賢一、葛城七穂、浅野真澄、土師孝也
アニメーション制作: プロダクションI.G、ジーベック
製作国: 2010年日本映画
上映時間: 50分


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
吉永裕ノ介の人気ロボット漫画を映画化した全6部作の第1弾。地中から化石燃料が採れない“クルゾン大陸”は、石英と魔力を動力源としていた。そんな折、魔力を持たない希少な存在“能なし”であるライガットは、国王から衝撃の事実を知らされる。

原作コミックを読んで、なんとはなしに気になっていたので劇場版を鑑賞することにした。東京にいたら、おそらく劇場で観ていただろうが本作の上映時間は50分。この上映時間で前売1,500円かかっていたら怒りのあまり発狂していたかもしれない。

さて中身はというと、原作に限りなく忠実な作品だった。ここまで忠実だと映像化する意味がないのでは、と心配してしまうほどだ。とはいえ、ディテールにはみるべきものがあり、たとえばアンダーゴゥレムがライガットによって起動された際、石英を散らしながらジャンプするシーンは秀逸。

声優陣の斯界における位置付けはどのようなものか、当方は詳細は知らない。だが、登場人物に対して抱いていたイメージと違和感がなかったことは確かだ。スタッフや声優のファンがこの映画やDVDを観て、原作に入っていくことも想定されるが、どんな感じを抱くものなのかね。

この先、第六章まで映画化が予定されていると聞いている。DVDも第二巻まで発売されているが、きちんと追っかけていくかは未定。非常に良い意味で原作に忠実すぎるから、既に読んでしまっている当方にとっては、物語が拡がっていくおもしろさがないところが玉に瑕。もちろん、本作のアニメとしてのクオリティは高いと思うので迷うところだ。


龍泉洞に行ってきた [travel]

三陸海岸の旅二日目は龍泉洞に向かうことにした。配偶者とは以前、山口県の秋芳洞に行ったことがある。同地と高知県の洞窟で日本三大洞窟と言われているようだ。いつかは、高知の洞窟にも行ってみねばなるまい。

R0013600.jpg宿泊地は休暇村陸中宮古。ハードは些か老巧化している部分はあるが、ホスピタリティの良さで満足度は高い。料金もリーズナブル
R0013593.jpg■売店で売っていた松茸を購入。価格は写真を拡大してください
R0013601.jpg■意味もなくインサイトのメーターパネルまわりを掲載
  

休暇村から約一時間ほど走り龍泉洞に到着。

R0013665.jpg■ここが入り口。入場料は大人一人1,000円也
R0013605.jpg映画セットのように見えるが洞窟である。当然のことながら、外気より気温が数度低い。夏場は良いかも。以下、何枚か写真を掲載
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龍泉洞から盛岡駅に向けての帰路にある道の駅に立ち寄る。

R0013670.jpg■道の駅三田貝分校のコンセプトは学校。BGMは唱歌だったりする
R0013672.jpg■同地区の名産である短角牛のつくねが入った岩じい がーを食す。ヴォリュームがあるうえになかなかの美味。お奨め


盛岡駅に辿り着いてから一騒動あったのだが、それは後日にご案内しよう。


宮古市に行ってきた [travel]

  

以前から行きたいと思っていた三陸に宿が取れたので、配偶者への接待を兼ねた旅行に出た。今回は盛岡まで電車で移動、そして同駅でレンタカーを手配することにした。

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■今回のレンタカーはHONDAのインサイト。詳しいインプレは後述
■セレクタまわりは普通の自動車と変わらない
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■早速の道草は、道の駅くざかい■そこでは紫蘇林檎ソフトを食す。これはうまい
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■次の道草は、道の駅やまびこ館
■ここでは黒豆ソフトをいただく。味は、小豆アイスのソフトクリーム版といえる


まずインサイトについて。TOYOTAのプリウスで感じたような未来の乗り物、という感じはしない。電気だけで走るモードがなく、モーターはエンジンをアシストするものと位置付けされているから、感覚的には普通のクルマと同じだ。ただ、信号待ちの時に明示的にアイドリングストップし、ブレーキを離すとエンジンが始動するのは新鮮。

車格が小さいからか室内空間も狭い印象。車高も低く最初は戸惑うがじきに慣れる。その分、小回りがきくので気楽だ。デザインがプリウスのそっくりさんではあるが、当方はインサイトの方が好き。おもしろい乗り物度はプリウスが高いが、かっこいい度はインサイトに分があるように思う。そんなこんなで、トコトコと走り続けて宮古駅に至る。

R0013578.jpg■かわいらしい駅舎。
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■駅前の食堂「魚彩亭すみよし」に向かう
■海鮮丼の並を食べたのだが、海鮮の量がすごくてご飯に届くまで相当に時間がかかります
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■駅ビルのキャトルに行くと、四階にラジコンのサーキットがあった■行った目的は、100円ショップでSDカードリーダを購入すること。ふつうに使える


さて、今回の旅行の目的のひとつは観光船「陸中丸」への乗船だ。何はともあれ、乗船中の様子を動画で視てほしい。


阿鼻叫喚である。この観光船のウリが海猫の餌付けであることは知っていたが、ここまで激しく来襲するとは思っていなかった。風景を観て愉しむどころの騒ぎではない。

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■観光船「陸中丸」の威容
■海猫、待機ちう…。以下、海猫写真をご覧あれ
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■浄土ヶ浜のふてぶてしい海猫
■写真のように、海猫に来襲されるのだ


その後、浄土ヶ浜を散歩した後、潮吹穴へと向かう。

三陸の旅一日目はこんな感じで終了。


龍泉洞に来ている [travel]

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洞窟探検に出発!

夢枕獏:『キマイラ9 玄象変』(朝日新聞出版) [book]

キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

朝日ソノラマが斃れてから数年、ソノラマ文庫にあったコンテンツがどのようになっているか詳細は調べていないが、<キマイラ孔>シリーズは朝日新聞出版社に引き継がれた。そのせいか、タイトルに巻数が入ったのだね。古くからのファンは違和感を持つと思うのだが、営業施策としては巻数があった方がいいのだろうか。


内容(「BOOKデータベースより)
久鬼玄造、修羅の旅はまだ終わらない。己の内に「獣」を秘めた青年、久鬼麗一と大鳳吼。二人の出生の秘密を知る久鬼玄造は、若いころ、西域探検隊が持ち込んだ「キマイラの腕」を預かり、修羅の旅を始めていたのだった。その数奇ないきさつを語り終えた玄造は、いまや幻獣と化した麗一の出没する南アルプスの山中へ向かう。だが、その地では、あの異能の格闘家、龍王院弘もまた、呻吟しているのだった。待望の書き下ろし新作、登場。

さて、八年ぶりのシリーズ最新刊である。八年前と言えば、当方はまだ三十代前半であった。たとえば、ということであれば新生児ならすでに小学生である。ここでは敢えて言っておこう、いくらなんでも待たせすぎだ。第一巻を読み始めた頃に、主人公たちと同世代の高校生であった当方は、いまや不惑を越えて髪の毛も薄くなってきて、知らないオジサンから「おとうさん」と呼びかけられるようになってしまっているのである…orz

いや、すまない、興奮してしまった。それくらい鶴首して待っていたのだ。経年劣化している頭脳は玄造の昔語りになってからの詳細はほとんど忘れてしまっていたので、冒頭のあらすじには助けられてしまった。内容は、ここのところ続いていた西域編からようやっと現代(というか1980年代頃の現代だろうね)に戻ってきたというもの。本作自体が、全体の中で転章という位置付けと言っていい。

繰り返しになるが、本書を読めることは旧来からのファンとしてまことに喜ばしい。それでもね、なんというか、一抹の寂しさを覚えたのもまた事実。本シリーズの伝奇小説としてのおもしろさや、格闘技小説としての側面、そしてなによりも"キマイラ"という魅力的な謎の解明が、これからもまだ味わえるという期待がある一方で、もう一つの重要なテーマであった「若者たちの成長」を軸とした青春小説という側面が薄まってきてしまっているから。本書では、舞台が現代に戻ってきたので、今後はそのあたりを期待したいと思う。


マイケル・ブルックス:『まだ科学で解けない13の謎』(草思社) [book]

学生時代、一般教養で科学史の授業を聴講して以来、興味を持ち続けてきた。当時は、村上洋一郎の『 新しい科学論 』を読んで感銘を受けた記憶もある(中身はほぼ忘れ去っているが)。パラダイムという言葉を知ったのは、確かこの本だったように思う。


内容(「BOOKデータベースより)
宇宙論から自由意志、セックス、常温核融合、地球外生命、代替医療まで、13の謎が巻き起こしうる科学革命の未来像を解説。

さて、本書は現代科学では未解明の変則事象(アノマリー)についてジャーナリスティックな側面から記述されたもの。中身は宇宙論からセックス、そしてホメオパシーまで多岐にわたっている。とはいえ、単なる読み物に堕していないのは、そんな変則事象もパラダイムシフトが起こることによって解明されるであろうという著者の科学に対する楽観主義が仄見えるからだ。

「13の謎」に対してこの分量の書物なので、個々の変則事象に対するアプローチは浅いものと言わざるをえないが、そこは興味を持ったエピソードは個々人で関連書を探しなさい、ということなんだろう。当方について言えば、第八章の「巨大ウィルス」に関しては関連書を読みたいと感じた。

読後に思ったのは、科学研究という営みがきわめて人間くさいものであること。そこには当方のような凡人が計り知れない優秀な頭脳が考えているのだから、浮世離れしているに違いないという想像とはまったく違う光景がある。そりゃそうだ、人間が研究しているのだから。名誉欲や金銭欲など、我々と変わらないモチベーションで駆動されている部分があるということだ。科学研究もまた、ビジネスと同様に"人間"に収斂されてくると言うことがわかる一冊だ。


平川克美:『移行期的混乱』(筑摩書房) [book]

移行期的混乱―経済成長神話の終わり

移行期的混乱―経済成長神話の終わり

無印良品の「次が出てくる付箋紙」を買ったのは、こうやってblogに感想文をしたためるようになり、印象に残った文章を忘れないでおくためだ。悲しいことに、読後の短期記憶は年々弱まっている。蛍光マーカーでラインを引っ張ってもかまわないのだが、意外に本に対する扱いは保守的なので、書き込みができないということもある。


内容(「BOOK」データベースより)
人口が減少し、超高齢化が進み、経済活動が停滞する社会で、未来に向けてどのようなビジョンが語れるか?『経済成長という病』で大きな反響を呼んだ著者が、網野善彦、吉本隆明、小関智弘、エマニュエル・トッドらを援用しつつ説く、歴史の転換点を生き抜く知見。

本書は、結果としてその付箋紙が至る所にひっつけられた。いい中年男が休日前の金曜日の夜中に、「いいこと言ってるなあ」と独り言を言わざるをえないくらいに。たとえば、まえがきにおける以下のような文章はどうだろう。


(前略)確かに企業社会の多くの問題はシステム上の問題として整理され、問題のあるシステムを速やかに変更することで現実的な解決を見ることができるのかもしれない。しかし、問題を起こしたとされるシステムや社員たちのモラルもそれらを解決しようとする思考パターンもその時代の社会が生み出した結果のひとつであり、その社会がうちに孕んでいった問題に加担してきたともいえる。
(13ページ)
 

ちょうど、並行して読み進めていた『 まだ科学で解けない13の謎 』で援用されているトマス・クーンの「パラダイム」という考え方を想起してしまった。結局、イノベーションが起きない限り、そのパラダイムから逃れえないのだろうか。もちろん、科学史の考え方を、自分がそのまっただ中にいる歴史に当てはめるのにはムリがあるのかもしれないが。そんなことを思っていると以下のような文章だ。


(前略)歴史というものは、そのただ中に存在しているものにとっては生きている現場そのものであり、時代のパーステクティブを概観するようにはできていない。舞台の上の演者が、同時に観客であることができないように、ひとは生きながら、同時に生きている自分を俯瞰することはできないのだ。
(20ページ)
 

なんというのかね、ツボにはまるというか、読んだらそう思いそうなことを先回りしてくれる文章が多い。何で読んだか忘れたが、読んでいておもしろい文章とは自分が言語化できていない思いを他者が文章として示してくれるものだ、という言葉があった。そう、本書は当方がぼんやりと思っていながら言語化されていなかった思考の断片を文章にして指し示してくれるのだ。

まだまだ引用したい文章はあるのだが、著者の強い主張の顕れている文章を、ネタバレではあるが引用しておこう(裏表紙にも書いてあるから、まあいいか)。


問題なのは成長戦略がないことではない。成長しなくてもやっていけるための戦略がないことが問題なのだ。
(141ページ)
 

はたと膝を打つくらい、心から同意できるのだよ。成長しなくてもやっていけるだけの戦略。それが当方のいまいちばん欲しいものかもしれない。

現在、下半期ではもっともお薦めの一冊。特に当方と同世代にはキくと思う。なお蛇足ながら、本書は昭和という時代の息づかいをノスタルジックに記述したエッセイとも読めるので、そのあたりも愉しんでほしい。


増田町に行ってきた [travel]

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8月に太平湖に行った際、道の駅で「蔵の日」なるポスターを発見。なんのこっちゃとみてみると、増田町という町で年に一回、蔵が公開されるとの由。これは行かねばなるまいと楽しみにしていたのだった。

IMGP3853.jpg■最寄り駅は十文字駅。ここからバスで10分ほどかかる。所在地は増田町増田字七日町
IMGP3976.jpg■共通見学証は500円で購入


そもそも増田町は、岩手県と秋田県を結ぶ交通の要衝だったらしい。また、養蚕や葉たばこの生産・販売で賑わい、大正時代には吉乃鉱山の最盛期で隆盛を誇ったとのこと。ところが、明治末期の交通体系の変化や吉乃鉱山の採掘量の減少、そして戦後の農地解放の影響などで停滞期に入ったという。

その中心商店街となる通り長さおよそ400メートルの「中町・七日町通り」に並ぶ主屋の大半は「妻入(長方形の建物の短辺に入り口がある造り。長辺のそれは平入という)」で、その主屋の中央部もしくは最後方に位置する文庫蔵・座敷蔵などを総称して「内蔵」というらしい。よーするに、建物の中に蔵があるってこと。建物版マトリョーシカである。あるいは、でかいロフトかね。

IMGP3862.jpg■最初に入ったのは「高橋茶舗」。本来は外だけの公開だが、特別に中に入らせてもらえた。ありがとうございます
IMGP3871.jpg■その隣の堀田家の座敷蔵。
IMGP3872.jpg■外観はこんなだったりするから驚きだ
IMGP3864.jpg■福嶋サイサイ囃子が練り歩いていた


話には聞いていたが、ここは北都銀行創業の地でもある。

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■1895年(明治28年)5月、株式会社増田銀行として創業

 

さらに通りを進んでいく。

IMGP3883.jpg■佐藤十三郎家の座敷蔵は当地でも最大規模のもの
IMGP3879.jpg■なるほど、当方の仮住まいより広い…orz
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■そして、かっこいい

IMGP3888.jpg■石田喜兵衛家は外観が素晴らしい
IMGP3907.jpg■佐藤多三郎家は、昭和後期まで医院を開業していたとのこと
IMGP3890.jpg■非常に立派であった
IMGP3904.jpg■同じく佐藤多三郎家
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どんどん進んでいく。

IMGP3922.jpg■通りのほぼ真ん中あたりを小川(?)が流れている
IMGP3928.jpg■どこの内蔵かは失念したが、なかなかいい感じ
IMGP3943.jpg■旧勇駒酒造では、蔵の中でライブが開催されていた
IMGP3955.jpg■増田地域じまん市から見える佐藤正一家。これまた立派な建物であった
IMGP3965.jpg■じまん市で横手焼きそばを食す。アルコール類は売ってなかったので、近くで買ったビールを呑んでいたら、おじさんに「おとうさん、どこで買ったの?」と訊かれた。いや、おとうさんと呼ばれたのは生まれて初めてだから愕然としたよ
IMGP3972.jpg■お味噌屋さんで振る舞われた豚汁を食す
IMGP3961.jpg■興味はあったが買わなかった…
IMGP3966.jpg■佐藤昆布店では昆布を削っていた


うーむ。単焦点中望遠のレンズの一眼レフしか持って行かなかったから、蔵の全景を撮るに至らなかった。GRD3であればもっと引いて撮影できたのに。アホである。

閑話休題。とにかく時が経つのを忘れて見学してしまった。今回は20棟ということでこれは史上最多とのこと。みなさんも是非、といいたいが、来年の今頃まで待たなければいけないのが残念。興味のある方は、通年でも公開している蔵があるらしいから確認してほしい。


増田町に来ている [travel]

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蔵の日。内蔵絶賛公開ちう!

石持浅海:『八月の魔法使い』(光文社) [book]

八月の魔法使い

八月の魔法使い


内容(「BOOKデータベースより)
危険だ。関わりあいになるのはあまりにも危険だ。でも、恋人からのSOSに応えないわけにはいかない。入社7年目の若きサラリーマン、経営陣を揺るがす “あってはいけない文書”の謎に挑む! 役員会議室と総務部で同時に提示された“工場事故報告書”が、混乱を引き起こす!これはいったい何だ? たまたま総務部に居合わせた草食系サラリーマンは、役員会議室で事件に巻き込まれた恋人を救えるのか。

上記梗概の「関わりあいになるのはあまりに危険だ」という文章がある意味すごい。ご存知の通り、著者は現役の会社員。この手の小説を書くことは危険だとも思えるが、本編にある以下のような文章を読むと会社での居心地に影響があるのではないかと心配してしまう。


学生時代は、企業というのは深謀遠慮に基づいて行動しているものだと思っていた。しかしいざ入社してみると、大きな勘違いだとわかった。いわゆる経営陣といわれる人たちも、かなり場当たり的な判断で会社の進む方向を決めているのだ。今、目の前で展開している光景は、深雪の経営陣に対するイメージを裏書きするものだった

(37ページ)
 

当方も、図らずも会社の最高意志決定会議に紛れ込んだことがあるのだが、上記の意見については誠に以て同くぁwせdrftgyふじこlp

それはともかく。本書は一介の会社員がとある不可解な状況に巻き込まれそれをいかに打破するかという、著者のミステリの王道パターンを踏襲している。その謎とは、これまた著者のお得意のひとつである「日常の謎」ではなく、『 攪乱者 』とも通底するものと当方には思えた。

本書における攪乱の実行者(と著者)が仕掛けたものは、なるほど、よく考えられたものといえるだろうが、それを受けて描かれる混乱が些か類型的なものであるところが著者らしくない。そこは作品として弱いところと言える。

一方で、独自の倫理観は「会社の論理」という言葉に置き換えられていて、それは当方のような会社員に違和感がない。ということは、いかに会社の論理というものが歪なものであるかをあらためて認識させてくれる。これは著者ならではの技術といえるだろう。

作中時間ではおそらく2時間は経っていないにもかかわらず、濃密な仮説構築とディスカッションが展開されるのは相変わらず。題材は、普通の会社員にもわかりやすいものとなっているから、著者の作品を読まず嫌いの方にはお奨めできる一冊だ。


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