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石持浅海:『罪人よやすらかに眠れ』(KADOKAWA) [book]


罪人よやすらかに眠れ

罪人よやすらかに眠れ

  • 作者: 石持 浅海
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: 単行本

『砂の惑星』の下巻に手を伸ばしたところ、図書館から本書が届いたメールが来た。先に本書から読み始めることにしよう。
内容(「BOOK」データベースより)
北海道札幌市、中島公園のすぐそばに不思議な“館”がある。公園と同じ名の表札を掲げるその建物に、吸い寄せられるように足を踏み入れた客の境遇はさまざまだ。「友人と、その恋人」を連れた若者、「はじめての一人旅」に出た小学生の女の子、「徘徊と彷徨」をせざるを得ない中年男性、「懐かしい友だち」を思い出すOL、「待ち人来たらず」に困惑する青年、「今度こそ、さよなら」をするために過去をひもとく女性…。そして彼らを待ち受けるのは、北良と名乗るおそろしく頭の切れる男。果たして迷える客人たちは、何を抱えて“館”を訪れたのか? ロジックの名手が紡ぐ6つの謎。
個人的な趣味だけで申し上げるなら、石持作品は短編集のほうが好きだ。本書もまた例外ではない。札幌市にある中島公園の近隣にある瀟洒なお屋敷。そこにはすらりとした主人と猫か狐のような眼をしたその妻、綺麗な娘や執事やメイド、そして美麗な青年がいて...。

内容としては、「座間味くん」シリーズに通じる安楽椅子探偵もの。主人公役の超然としたところなども共通している。ただ、上記のような梗概から想像されるほのぼのとした日常の謎を解き明かすミステリではなく、「人間の業」をテーマにしたものである。全編に不協和音のように流れる不気味さとか、主人公にみられる「無邪気な悪意」のようなものが怖い。

当方は、探偵が謎を解き明かす謎、というテーマを読み取った。なぜ探偵は謎を解き明かし続けなければならないのか。そしてそこにはどんな意味があるのか。いってみれば「反・探偵」小説ということか。暴かれる謎は、いずれも苦みのあるもので決して爽快な後味ではないものばかりだ。

全編ともに短めで、読み応えについては物足りなさは残るけれど、当方は愉しめた作品集。
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