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フランク・ハーバート:『デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上』(早川書房) [book]




デューンのシリーズを読んでいたのは、たしか大学生くらいの頃だから実に四半世紀ぶりの再読である。シリーズが進むにつれて、より難解になり読む人を選ぶ小説だと感じた記憶がある。 

【内容】
アトレイデス公爵は皇帝の命を受け、惑星アラキスに移封されることになる。過酷な砂漠の惑星アラキスは、抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の産地である。宿敵ハルコンネン家に代わりそこを支配することは、表面的には公爵家に大きな名誉と富を約束する。皇帝やハルコンネン男爵の罠だと知りつつ、公爵は息子ポールの未来のため惑星アラキスに乗り込むが…
これまで当方は、上中下巻の分冊であっても、すべて読み切ってからレビューしていたのだけれども、今回はその原則を破って、分冊ごとにエントリしてみる。じっくりと読んでみたい小説だから。

当方が申し述べるまでもなく、ストーリーライン自体は王道であり凡庸だ。移封された善玉貴族と悪代官めいた敵役、貴族の流麗な息子、一時的な撤退と味方を得ての反攻と勝利…。神話や昔話を思わせる正統派の構造を持つ物語だ。

そこに新しさを見出すとすれば、文化人類学的・生態学的な見地でアラキスの文化や動植物を語る著者の手際だろう。ただ、21世紀の現在ではありふれたものとなってしまっていることは否めない。

ところが、当方には実に愉しく読めてしまった。どこがというと、それは登場人物たちがいずれも超人めいた頭の回転の速さを持っており、それを駆使して相手を分析したりいかに裏をかくか、どのような戦術・戦略を立てるかに腐心するモノローグ群である。

それは繰り返される「計画の中の計画の中の計画」、「フェイントに秘めたフェイントに秘めたフェイント」などの登場人物のフレーズにもよく表れている。いってみれば、どちらが相手の急所を少しでも早く捉えるかを競う知恵比べ小説であるのだ。このあたりの機微は、一定程度の年齢にならないと、そのおもしろさが理解できないのでは、と思う。

さて、本書は序盤ということになる。各登場人物たちの紹介という位置づけで、いずれも一癖ある人たちばかり。これからどうなるかたのしみである。再読だけどね。
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