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七河迦南:『七つの海を照らす星』(東京創元社) [book]

七つの海を照らす星

七つの海を照らす星

かつて読みたい本を選ぶ際の情報は雑誌や新聞の書評欄で、もちろん今も参考にしているのだが、ここにきて役立っているのは、やはりAmazonのカスタマーズレビューやブログの記事だ。おもしろそうに紹介されている本は、読んでみなくては、という気にさせられる。本書もまた、同じSo-netブログ長屋の"milk pan,milk crown "で紹介されていたもの。


出版社 / 著者からの内容紹介
【第18回鮎川哲也賞受賞作】
様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。

孤独な少女の心を支える"死から蘇った先輩"。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。女の子が六人揃うと、いるはずのない"七人目"が囁く暗闇のトンネル……七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、"真実"の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。

繊細な技巧が紡ぐ短編群が「大きな物語」を創り上げる、第18回鮎川哲也賞受賞作。

いわゆる「日常の謎」系統で連作短編集だから、東京創元社らしい内容といえるだろう。結論から申し述べると、そのミステリとしての結構については、当方に関して言えば、あまり驚愕するようなものではなかった。もちろん、これは個人差だ。

それよりも驚くべきは、その小説のうまさ。まず文章がいい。独特のリズム感があり、ときにリリカル、ときにシリアス・ユーモラスに語られる文章は読んでいて心地よい。

そして活き活きとした登場人物たちの描写。主人公の北沢春菜のキャラクタの清新さ、探偵役をつとめる海王さんが具体的な描写がされないにもかかわらず不思議な個性が浮き上がってくることなど、これまた巧い。

舞台が児童養護施設ということもあり、内容についてはやはり児童虐待の問題など重い題材だ。それに目をそむけさせない小説の力が相俟って、タイトルや表紙画から想像されるほのぼの系ではない力強い小説となっている。刊行が2008年で、当時は評判になっていたに違いないだろう。そんな小説を読み逃してしまうのは当方もヤキが回ったということか。

ところで、著者は筆名や主人公からすると女性なのかな? いや、そのへんの情報がwebにはなかったもので。


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