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都筑道夫:『宇宙大密室』(東京創元社) [book]

宇宙大密室 (創元SF文庫)

宇宙大密室 (創元SF文庫)


内容(「BOOK」データベースより)
初期の日本SF界を支えた名手による唯一のSF短編集。流刑星にただ一人閉じ込められた囚人はいかにして殺害されたか。あなたは60年後に殺された、と言って訪ねてきた男。自殺には一千万の税金がかかる時代に無一文で自殺に成功する方法とは。奇抜な着想と洒脱な筆致の短編17編に加え、書籍初収録の幻の中編SFスリラーと、SF出版人としての業績をたどるインタビューを収めた。

著者の作品を読むのは何年ぶりだろう。『 三重露出 』を昔々に読んだ覚えがあるきりだ。今回は著者のSF短編集ということで入手、読んでみた。

結論から申し述べると「巧い!」の一言だ。プロット派というか技巧派というか、あきらかに細部を決めてから執筆するタイプのように思える。その点では、岡嶋二人(と井上夢人)がその衣鉢を受け継いでいるように感じる。

で、本作では、ウリになっているSF作品の出来よりも、なぜか当方には「鼻たれ天狗」シリーズが愉しく読めた。いわゆる艶笑譚なんだが、そこには古き良き日本語のリズムが刻み込まれていて心地よい。

あと、「忘れられた夜」という作品がすごい。(おそらくは)よくあるハルマゲドン後の都市を描いた小説で、そのイメージ自体はありふれたもの。でもね、そのイメージが昭和45年に書かれていたということがすごい。当然のことながら「マッドマックス」や「北斗の拳」より昔のことだ。本作品集の中では異彩を放っているといえる。

良くも悪くも職人作家ということであまり売れているという印象はない著者だが、依然として復刊されているということは、この手の作風にニーズがあるということにちがいない。電子書籍でも何冊か発売されているので機会あらば読んでみることにしよう。


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